郵政民営化を監視する市民ネットワークBlog

Tuesday, April 25, 2006

鉄道がもうけてどうする!郵便局がもうけてどうする!

今日、4月25日は、JR福知山線の尼崎でおこった大規模な事故の一周年。事故は利用者の安全と労働者の権利を無視して、カネもうけ第一の民営化を行ったJRの経営がもたらしたものだ。金もうけのために107人がなくなり、600人近い人が重軽傷を負った。

この事故を忘れず、安全な公共交通を取り戻そうというノーモア尼崎キャンペーンが主催した国際シンポジウムに参加した。民営化によって何十もの会社に分割されて事故が多発しているイギリス鉄道から鉄道労組、国営を維持し民営化に抗してネットワークを拡大しているフランスSUD鉄道労組、そして政府の民営化政策を押し返した韓国鉄道労組からゲストが参加し、国鉄分割民営化以降も職場で差別されつづけている国労組合員が参加した。

集会では、去る4月22日に尼崎で行われた集会で発言した遺族の方の映像がながされた。JRはいまだに事故の原因を遺族に明らかにしようという気持ちもない、補償交渉だけを進めたいという姿勢に従事しているという。命や安全よりもカネが第一、というJR経営姿勢そのままの対応だ。

海外からのゲストはみな一様に鉄道の安全性をまもるためには、もうけ第一主義をやめなければならない、労働者の権利を軽視している労務管理を改めなければならない、と語っていた。

会場で配られた資料には、ドキュメント映画「レールは警告する」に出演し民営化以降の安全軽視政策を訴えたJR職員に対して、JR会社が呼び出して注意や処分を行っているとあった(詳細)。海外からのゲストも「鉄道に従事する労働者が社内であろうと社外であろうと、利用者の安全のために発言をしたことに対して処分を行うとは言語道断で、海外ではありえない」という意見だった。案内には抗議のメール運動を連休明けからはじめるという。みんな協力しよう。

もうけ第一主義が浸透している公共サービスの現場で何が切り捨てられているのかを一番分かっているのが、そこではたらく人たちであることは、4月9日に行われた市民ネットの総会で郵便局の現場から発言した職員の人たちの報告でも十分に示された。

安全な公共サービスを維持するために、現場の職員の方たちからの提言や発言は重要だ。労働者や労働組合の発言や権利が脅かされる公共サービスの現場に安全も安心もないことは、トヨタ方式=JPSを導入した越谷郵便局での過労死や多発事故で明らかだ。

今日の国際シンポジウムを聞いて思いました。

公共交通がもうけてどうする!
郵便局がもうけてどうする!

これ以上、鉄道で人を死なせてはいけない。
これ以上、郵便局で人を死なせてはいけない。
これ以上、公共サービスの職場で人を死なせてはいけない。

ノーモア尼崎、ノーモア越谷。

イギリスでは民営化された鉄道を再国有化しよう、とキャンペンが始まっている。
利用者の70%もそれを支持しているという。

JRを再国有化しよう。郵政民営化をおしかえそう。

わたしたちにやれることはまだまだたくさんあるはずだ。

Saturday, April 08, 2006

小包請負業者の全国一斉首切り

  郵政公社は今年になってこれまで郵便小包(ゆうパック)の配達を請け負っていた全国の下請け業者に対して一方的に契約の打ち切りを行っています。
  施策の変更のため、理由はこの一言です。

  郵便配達はこれまで本来本務者による配達が原則とされてきました。しかしここ数年来、業務の効率化施策として郵便事業の様々な業務を非常勤職員へと置き換えてきました。
  すでに配達部門以外の仕分け作業など主に内務作業につきましては本務者を上回る非常勤職員の方々が働いておられますが、それを今度は本格的に配達部門にまで拡げようとしています。

  小包配達につきましては、民間宅配業者とのシェア争いに完敗していく過程で、事業そのものをまるごと下請けに出すというようなことをここ20年来続けてきました。
  当初の内はそこそこの労働条件で請負業者との契約を行ってきましたが、ここ数年来これも効率化と称してギリギリの条件を提示し、零細業者の中にはやむなく撤退をせざるを得ない状況にありました。

  ここにきて当局は「2ネット方式」というまた新たな効率化施策を提示してきました。 
  「2ネット方式」とは、簡単に言いますと、普通郵便などの主に郵便受け箱に配達する(対面配達によらない)ものはすべて非常勤職員に置き換え、書留や小包など直接お客様の手元に配達するものは本務者にやらせる、というものです。
  この春からは全国的に一部の局所をピックアップし、この夏からはさらに本格的に全局所的に実施する予定であるとしています。

  郵政事業が03年に「公社」となったとき、その総裁に就任した生田正治氏は事業のドラスティックな転換を試みました。事業のお荷物になって久しかった小包部門の立て直しを計ったのです。
  利益率の低い郵便配達部門は非常勤職員に置き換え、利益率の高い小包部門に資源を集中し、これまで委託にしていたものを正規職員に置き換え、民間宅配業者との品質競争に備える。さらにその土台の上に企業間物流や国際物流部門への切り込みを行う。そういう戦略を生田総裁以下経営陣は描き始めました。

  そういう戦略にしたがい、これまでなんとか我慢して続けてきた全国の小包請負業者に対してこの春、一方的な契約打ち切りを通告してきたのです。

  その請負業者さんの方から一通のメールを頂きましたのでここに紹介しておきます。

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  札幌在住の元ゆうパック配送委託業者です。
  現在はすでに郵便局との契約が終了しておりますが、契約解除に至るまでの経過にこれからの、郵政のあり方に非常に疑問不安を抱いております。

  当社は10年以上某局でのゆうパックの配達を請け負っておりました。
  昨年12月頃より、局内で委託業者は今年度の入札はなし、とのうわさが流れていました。
  局からは別段正式な契約解除通知も口頭告知もなく、ただのうわさ話だと思っていましたが、1月末頃不安になり総務の方に話をしたところ、やはり今年から委託業者は使わず、臨時職員を採用し配達するとのことでした。

  もともと3月末で前回の契約期間が終了する予定でしたが、まさかの委託業者切でした。

  正式に副局長から話がきたのが今年2月上旬でした。
  「支社が決めたことでどうにもならない」の一点張り。
  そんな納得のいかない話しかできないのかと腹が立ち、「1月に支社からその旨FAXが入っているのならば、なぜいち早く教えてくれないのだ」と抗議しましたが、どうにもならず、しかも、当局は正式な通知書を渡すことさえも忘れ(!)、こちらから催促してようやくもらった状態です。

  確かに契約上は契約解除通告は1ヶ月前に通知する、となっていますが、15名の社員達を1ヶ月の間でどうすればよいのか?
  契約中も仕事の内容の変更などが度々あり、その内容も多岐にわたり、しかも入札で落札した単価までもが変更となりました。こんなことが一般企業の間で通用するとは思えません。たとえば、5億でビル建設工事を落札し工事の途中で予算が合わないので4億にしてくれ、と言っているようなものです。

  この時も、「支社がそう言ってきたからしょうがない」の一言?

  その他まだまだありますが、このような対応のしかたで民間に参入したらと思うと郵便局自体のあり方に先行き不安不信を私は隠せません。
  愚痴っぽくなりましたが、皆様の活躍に期待をしております。